おせちの仕込みは、いつから始まると思われますか。
私が子どものころ、うちの仕込みは12月26日ごろから始まりました。くわいの皮をむく日があり、数の子の薄皮をむく日がある。年末の数日間は、お弁当を配達する人たちも、みんなで仕込みに入って、夜遅くまでかかる日が続きました。

暖房をつけない仕込み場
当時の仕込み場は、暖房をつけませんでした。
鮮度をできる限り保ちたい。そして、添加物を入れていないので、自然な状態で日持ちさせたい。部屋を暖めれば人は楽になりますが、食材には良くない。だから寒いまま、水に浸かった数の子の薄皮を、一枚ずつむいていました。みんなで背中を寄せ合って、隙間風には段ボールを当てて。
おせちというのは、作ってから召し上がっていただくまでに、数日の間がある料理です。添加物に頼らずにその数日を持たせるには、温度と鮮度で守るしかない。寒い仕込み場は、そのための場所でした。
手の仕事が多い料理です
高校生のころには、私も普通に手伝っていました。くわいの皮をむく。数の子の薄皮を取る。こんにゃくをねじる。ごぼうの皮をむく。人参を型で抜く。
おせちは、そういう手の仕事の集まりでした。だから仕込みに日数がかかり、年末の数日間は、みんなで夜まで働くことになるのです。
いまも、やっていることは同じです
あれから40年以上たちました。いまも、最終の調理は12月30日です。早く作ると、早く傷む。だから30日に調理して、その日のうちに重箱へ盛り付けて完成させ、冷凍せずに12月31日にお届けします。解凍のいらない、生のおせちです。
いまも、仕込み場は基本的に暖房をつけません。鍋で炊いて、焼いて、揚げるので、自然と暑くなります。だから年末は「寒くあってほしい」と、毎年祈っています。
小さな作り直しも、毎年あります。去年は、ブリの切身が大きくて、カップに無理に押し込む形になってしまいました。今年は切り方を決めて、それに合う仕入れ先を探すところから始めました。
31日は、お届けの日です。店の中は一気に静かになって、急にお正月の空気になります。私はその日、「ちゃんと届いたか」のご連絡がないかが気になって、店から動けません。本当は、自分で配達に回りたいのですが。
寒い仕込み場で教わったこと——鮮度と手間で味を守る——は、そのまま残っています。
ご案内(2026年末のおせち)
・松(7寸3段・48品目) 早割34,600円(11月30日まで)/12月1日からは38,400円
・竹(7寸2段・41品目) 早割26,200円(11月30日まで)/12月1日からは29,100円
・梅(6寸2段・37品目) 早割19,300円(11月30日まで)/12月1日からは21,400円
(いずれも税込。早割は11月30日(月)まで・10%OFF)
送料・代引手数料は無料です(お支払いは代金引換)。お申し込みは12月19日(土)まで、お届けは12月31日(木)です(北海道・青森・秋田・沖縄全域と一部地域は元旦のお届けになります)。
ご注文はお申し込みページから。
お電話 0800-111-1038(平日8:00〜16:00・土9:00〜15:00)/FAX 0800-222-1038(24時間受付)/メール info@fc-tomiya.com

